保護猫を迎えるとき、一番不安だったこと
保護猫の兄弟2匹のトライアルが決まったとき、一番不安だったのが、「自宅の環境に慣れてくれるだろうか」ということでした。
子猫ではなく成猫であること、しかも2匹同時に迎えること。「なかなか慣れてくれなかったらどうしよう」「怖がらせてしまったらどうしよう」と、迎える前の数日間はずっとそんなことを考えていました。
この記事では、実際に保護猫の成猫2匹(兄弟)を迎えた初心者の私が、初日から1週間でやったこと・気づいたことを記録しています。同じように不安を抱えている方の参考になれば、とてもうれしいです。
初日にまずやった3つのこと
① ケージに入ってもらい、部屋を静かにした
2匹をキャリーからケージに移したあと、まずやったのは「部屋を静かにすること」でした。テレビは消して、家族にも大きな声を出さないようにお願いしました。
猫は大きな音や突然の動きに非常に敏感です。わが家の2匹も、床に物が落ちる音や、急に立ち上がる動作にびくっとすることが何度もありました。最初の数日間は、できるだけ猫のそばで大きな動作をしないように意識しました。
② トイレの位置を、においで教えた
トイレの場所を教える方法として、とても役立ったのが「においを使うこと」でした。もとの飼い主さんに、尿のにおいがついた猫砂を少し分けてもらい、それを新しいトイレに混ぜておいたのです。
すると、特に教えなくても、2匹は自分でトイレの場所を認識してくれました。初日からトイレの失敗はゼロ。これは本当に助かりました。もとの飼い主さんや保護団体のスタッフさんに相談して、使っていた砂を少し分けてもらうことをおすすめします。
③ 声をかけながら、でもそっとしておいた
「静かにする」というのは、無視する、ということではありません。私はケージのそばに座りながら、ゆっくりとした低めの声で話しかけるようにしました。
「ここは安全だよ」「怖いことは何もしないからね」と、猫に聞かせるように、ゆっくりと繰り返しました。猫には言葉の意味はわからなくても、声のトーンや人間の落ち着いた雰囲気は伝わると思っています。朝、猫のそばに行くときも、必ず「おはよう」と優しく声をかけることを習慣にしました。
ケージで過ごしてもらった期間と、その理由
目安は最初の1週間
わが家では、最初の1週間はケージの中を基本の生活場所にしてもらいました。ただし、夜に1時間ほど、リビングの中だけ自由に探索できる時間を作りました。
急に部屋全体を自由にしてしまうと、猫にとっては未知の空間が広がりすぎて、かえって不安になってしまうことがあります。まず「ケージの中が安全な場所だ」と認識してもらってから、少しずつ行動範囲を広げていくのが、猫にとってやさしいやり方だと感じました。
ケージを「安心できる場所」にする工夫
ケージの中には、ニャンモック(ハンモック型の寝床)を取り付けました。2匹は兄弟で仲が良く、このニャンモックの上で2匹で寄り添って眠っていることが多かったです。その様子を見るたびに、「来てくれてよかった」と思いました。
夜は、ケージの外側を毛布で覆って暗くしてあげました。視界が遮られると猫は落ち着きやすく、ぐっすり眠れるようになります。人間でいえば、アイマスクをして寝るようなイメージでしょうか。
探索タイムには、おもちゃも活用した
夜の探索タイムには、羽のついたおもちゃを使って一緒に遊びました。環境への警戒心が残っていても、おもちゃへの興味はすぐに出てきた2匹。体を動かして遊ぶことで、少しずつ人間との距離が縮まっていく感覚がありました。
慣れてきたサインの見分け方
猫が新しい環境に慣れてきたかどうかは、言葉では教えてくれません。でも、行動をよく見ていると、ちゃんとサインを出してくれています。
ご飯をしっかり食べるようになった
環境の変化にストレスを感じている猫は、ご飯を食べない・食べる量が減ることがあります。逆に、いつもどおりよく食べるようになったら、環境に慣れてきたサインのひとつです。
ケージの扉近くに自分から来るようになった
最初は隅のほうでじっとしていた2匹も、少しずつケージの前面に近い場所で過ごすようになりました。自分から人間の近くに来てくれるのは、「あなたたちは怖くない」と認識してくれてきた証拠だと感じました。
あくびや毛づくろいをリラックスしてする
猫があくびをしたり、ゆったりと毛づくろいをしている姿は、緊張がほぐれているサインです。きょろきょろせずにのんびりしている時間が増えてきたら、慣れてきている証拠だと思っていいでしょう。
トイレができたら、盛大に褒めた
トイレがうまくできたときは、やさしい高めの声で「えらいね、えらいね」と何度も声をかけて褒めるようにしました。猫に「ここでトイレをすることは正しいことなんだ」と感じてもらうためでもありますし、声をかけることで人間への慣れにもつながると思ってのことです。
やってしまいがちなNG行動
初めて猫を迎えると、とにかく触りたい・かわいがりたい気持ちでいっぱいになります。でも、最初の時期にそれをやってしまうと、猫が心を閉じてしまうことがあります。正直に言うと、私も多少やってしまいました。
無理に触ろうとした
「せっかく来てくれたのだから」と、慣れていない段階で手を伸ばしてしまうのはNGです。猫が来てくれるまで待つ、という姿勢がとても大切です。
大きな声・突然の動きをしてしまった
わが家の2匹は、大きな音や突然の動きにとても敏感でした。家族同士で呼び合う声、扉をバタンと閉める音、急に近づく動作……こうした日常のちょっとしたことが、猫にはとても大きなストレスになります。
家族みんなで一斉に様子を見に行った
「かわいい!」と家族が集まってケージを覗き込む場面もありましたが、これも猫には負担です。見物に行くというよりも、近くで静かに過ごす、という感覚のほうがうまくいきました。
1週間後の2匹の様子
先に慣れた子・まだ慎重な子
1週間が経つころには、2匹の間でも慣れ方に差が出てきました。1匹は男性も女性も分け隔てなく受け入れてくれるようになり、ケージの外でも落ち着いて過ごせるようになってきました。
もう1匹は、家族以外の男性が来ると逃げてしまうほど警戒心が強めです。でも、それがその子の個性であり、ペースだとわかってきてから、焦らなくなりました。
それぞれのペースで、ちゃんと前に進んでいる
同じ環境で育った兄弟でも、性格はまったく違います。どちらが良い・悪いではなく、慣れるペースは猫それぞれです。「この子はこういう子なんだ」と受け入れることが、長く一緒に暮らすうえでとても大切なことだと感じました。
この記事のまとめ
- 初日は部屋を静かにして、そっと見守ることが最優先
- トイレはにおいのついた砂を使うと自分で認識してくれることがある
- ケージは最初の1週間の安心できる基地として活用する
- 夜に探索タイムと遊びの時間を作ると、少しずつ距離が縮まる
- 慣れるサインは食事・行動・表情で確認できる
- NG行動は「触りすぎ・声が大きい・急な動き」
- 2匹でも、慣れるペースは1匹ずつ違う
保護猫の成猫を迎えることは、子猫を迎えるよりも「待つ」時間が多いかもしれません。でも、その分だけ、少しずつ心を開いてくれる瞬間がとても嬉しく感じられます。
焦らなくて大丈夫です。猫はちゃんと、あなたのことを見ています。

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